日本初「垂直営農ソーラー発電所」が運用開始
福島県二本松市で、日本初となる「垂直設置型」のソーラーシェアリング設備(営農型太陽光発電所)が3月10日に売電を開始した。
垂直設置にあたり両面ガラスを使用したパネル(ヘテロ接合両面モジュール)を使用することで、高発電効率と広い営農空間の確保※の両立を実現。垂直設置は、省スペース設置が出来るため酪農との相性は抜群で、積雪地域においては雪が積もりにくいなどのメリットがある。
26日、二本松ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社(以下、ゴチカン)は特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)支援のもと「垂直営農ソーラー発電所」の実現をプレスリリースした。設計や施工などのEPCは同県の「RYOENG株式会社」が実施。太陽光パネルと、架台の日本版カスタマイズ及び供給はドイツの製造メーカー「ルクサーソーラー株式会社」、PCSは中国の製造メーカー「ハーウェー社」のものが使用されている。
今回設置に至った場所は、耕作放棄地であった農地約2600m2を地域の畜産農家が牧草地として再生した場所で、パネル出力は92.4kW、連系出力は49.5kW、年間発電量は8万9000kWhの見込み。(出典:日経BP)発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)に基づき東北電力ネットワークに売電する。
ゴチカンによると当発電所は、地形の制約からパネルを南北向きに設置しているが、東西向きの設置では朝と夕が発電ピークとなることから、非FIT電源としての優位性も持ち合わせているとのこと。ピークシフトによる電力系統負荷の軽減だけでなく、市場価格の高い時間帯で売電できることから、4月にスタートしたFIP制度においても収益性確保の観点から注目が集まる。
今回、モジュールと架台の供給を担った「ルクサーソーラー」は2022年秋頃を目途に日本で営農用太陽光発電設備の発売を公言しており、両面発電パネルと専用の架台に加え、施工やO&M(保守・点検)まで含めて提案していく構えだ。また、今回開発に関わった各企業は25日から問い合わせを受け付けている。
※ 営農への影響は、海外の研究事例から設置距離が8〜10mを確保できれば生育に影響が出ないことを確認済み。(ISEPより)
[参考]
二本松ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社 二本松の地域電力が、日本初の垂直営農ソーラーを実現
PVeye 独ルクサーソーラー 垂直設置の営農用太陽光設備発売へ
日経BP 日本初の「垂直設置型」ソーラーシェアリング、二本松市で稼働
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