電力ひっ迫、需給問題にDR支援サービスも
東京電力管内では3日連続となる「需給逼迫注意報」が発表された。27日から各所に節電が要請されている。
東電によると27日の電力需要はピークの午後1時時点で5254万kWと、首都圏を寒波が襲った今年2月以来の水準を記録した。このうち3割近くは太陽光発電で電力を賄い、予備率を3%分ほど改善させる効果があったとされる。
政府は、今年8月から電力会社の節電プログラムでポイントを付与する事業を始めるとして、一般消費者からの関心も高まっているが、どれほどの節電効果が得られるものか先行きは不透明だ。今年は夏だけでなく、冬の電力需給も厳しい見通しとなることが明らかにされている。政府は供給力の確保に向け原子力発電の再稼働等、準備を進めているが日本の電力供給が先細りしていく中で太陽光発電への期待値が高まる今、消費者だけでなく電力事業者を支える支援の拡大は喫緊の課題となるだろう。
こうしたなか、6月28日に一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区)が、DRを活用する電力事業者向けに「DR支援サービス」の提供開始を発表した。
日本気象協会は、これまでにAIを活用した電力需要予測を提供してきたが、今回開始したサービスでは「DR発動最適タイミング情報」を提供するとのこと。一般送配電事業者、小売電気事業者、アグリゲーターらは、このサービスを活用することにより、需要家に対するDR指令を最適なタイミングで発動し、DRによる需給調整などの効果を最大化することができるという。
また、今回の需給ひっ迫時などにおいて、節電に協力した利用者に対するインセンティブ(報奨金)の算定で必要となるベースライン設定の支援も行うという。このほか、容量拠出金負担額のシミュレーションにも活用できるとのことで小売電気事業者からの需要も大きいだろう。
DR(デマンドレスポンス)
デマンドレスポンス(Demand Response)は、IoTなどの最新技術でエネルギーを制御して、需要家側の電力を制御すること。
電力会社からの要請に対して電力消費を抑える「下げDR」と、電力消費を増やす「上げDR」に分かれ、需要のピーク時に電気料金を値上げする方式と、節電に協力した利用者にインセンティブ(報奨金)を支払う2種類の方式がある。
[参考]
経済産業省 電力需給ひっ迫注意報(第6報)
東京電力パワーグリッド株式会社 でんき予報最大電力実績カレンダー(東京エリア)
一般財団法人 日本気象協会 「DR(デマンドレスポンス)支援サービス」を開始
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