国内初、民間クレジット市場サービス。誰でも少量から取引可能に

2022.07.14

13日、CO2排出量可視化・削減サービスプラットフォーム「e-dash」の開発及び運営を行うe-dash株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 山崎冬馬)が、アメリカの気候変動テクノロジー企業との業務提携により、国内初となるオンライン上のカーボンクレジット取引市場「e-dash Carbon Offset」の提供を発表した。当サービスは、e-dashの可視化サービスのユーザーでなくとも、オンライン上で会員登録や月額利用料なしで利用できる。


▮ e-dash Carbon Offsetのサービス

e-dash株式会社は、世界中で脱炭素社会に向けた取り組みが進み、CO2排出量の全部または一部を埋め合わせることができるカーボンクレジットの活用に注目が集まるなか、“品質の高いクレジットへ、誰でも手軽にアクセスできるように。”ということで、企業のCO2排出量削減支援と世界的なカーボンニュートラル達成支援を目的として、「e-dash carbon offset」の提供を開始。
現在、VCS(Verified Carbon Standard)やACR(American Carbon Registry)の認証製品はじめとした、ボランタリークレジットが主体。カーボンクレジット購入後、e-dashから証明書を受け取ることができる。

特徴
・国際機関の認証を受けた世界中のクレジット
・オフセット量0.01トン~購入が可能
・会員登録や月額利用料なし
 

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e-dash Carbon Offsetサービスサイト(https://carbon-offset.e-dash.io/

 

▮ カーボンクレジット市場の課題と今後の展開

政府はこれまで、民間クレジットを含めたクレジット取引について「質を確保しつつ、量を拡大することが必要である」と位置づけた上で、カーボン・クレジット需要の見通しが不透明であるために、クレジットの供給拡大における阻害要因となっているとの見解を示し、政策対応の方向性として「カーボン・クレジットの位置づけの明確化」と「カーボン・クレジット市場の創設」案を進めている。
国内で相対取引が主流となっているいま、「e-dash Carbon Offset」のような民間サービスの普及がカーボンクレジット取引にどのように作用するか、注目が集まる。

しかしながら、民間市場に関して日経新聞の調べによると、これまで実際の削減効果以上のクレジットを発行した事例や、クレジット事業が停止した以降もクレジットを発行し続けた事例など、規制や法整備の未成熟により、実体のない取引が発生しているという報告もある。そのため、クレジット購入者は今後も、購入銘柄の信頼性や排出削減の確実性を見極める必要に迫られることも間違いない。

 

 

カーボンクレジットとは
森林保護や植林、再生可能エネルギーの導入などで実現した温暖化ガスの削減効果を重さに換算し、事業者間で売買できるようにした環境証書。購入した企業は温室効果ガスの削減量を上乗せし、排出量と実質相殺することができる。
国内で流通するクレジット市場としては、政府主導の「J-クレジット市場」やJEPXが運営する「非化石証書」があるが、クレジットの購入には購入企業登録または、仲介業者を通す必要があり、中小企業などへの流通は進んでいないのが現状。

 

[参考]
e-dash株式会社 e-dash Carbon Offset
経済産業省 カーボン・クレジット・レポート(2022年6月)
経済産業省 カーボン・クレジットに係る論点

日本経済新聞 カーボンクレジット光と影



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