新電力撤退で「最終保障供給」利用急増
15日、経済産業省から大手電力送配電が未契約の法人に電力供給を行う「最終保障供給」の契約件数が公表された。今年9月1日時点において全国で計4万1278件の契約に至っており、昨年比約94倍と異例の契約件数となっている。
特に今年6月からの増加率は大きく、その背景には、燃料高による調達コスト増加や、新電力の撤退が相次いだことなどが考えられる。
地域別では、東京電力が1万2249件と最多で前月より25%増。関西電力27%、中部電力は14%の増加率でいずれも大幅に契約が増えた。
日本経済新聞によると、燃料高で契約先の新電力が倒産するなどし、行き場をなくした「電力難民」は全国で3万5000社に上るとのこと。
大手電力では通常契約の受け付けを再開する動きがあるものの、燃料高で通常契約の電気料金の値上げはもちろん、東京電力パワーグリッド(PG)をはじめ、関西電力や中部電力、四国電力も9月利用分(10月請求分)から最終保障供給の料金引き上げが発表されるなど、需要側の苦難は続くことが予想される。
出展:経済産業省 ニュースリリース『令和4年9月1日時点における最終保障供給契約件数を 公表いたしました』
*22年9月のデータは9月1日時点のもの、その他期間は月末時点の数値。
[参考]
経済産業省 令和4年9月1日時点における最終保障供給契約件数を公表いたしました https://www.emsc.meti.go.jp/info/public/news/20220915002.html
日本経済新聞『東京電力、料金3割上げ 9月分「電力難民」企業向け』 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC193FY0Z10C22A8000000/
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