カーボンニュートラルに向けた研究会中間整理を公表(経済産業省)
経済産業省は「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手段等の在り方二関する研究会」において、中間整理の取りまとめを公表しました。
研究会は2050年カーボンニュートラルへ向けた国際的、経済的対応を議論するものとして2021年2月に第一回が開催され、今回公表された資料は過去7回の議論内容を取りまとめたものとのことです。
▮政策対応の方向性
本研究会では、カーボンニュートラルを巡る各国の政策を踏まえスピード感を持った政策対応が重要としました。
今回、具体的な政府対応の方向性として示されたのは、主に下記の3つです。
①既存国内クレジット取引市場の活性化
・非化石価値取引市場
・J-クレジット制度
・JCM
②中長期に亘り行動変容をもたらすための枠組みの検討
・気候変動対策を先駆的に行う企業の集積と、炭素削減価値市場評価の枠組み構築
・炭素国境調整措置(国境炭素税)への戦略的対応
・カーボンプライシング制度全体の継続的検討
③成長に資するカーボンプライシングが機能するための基盤整備
・カーボンフットプリントの見える化、トラッキングの基盤整備
(※蓄電池のカーボンフットプリントの検討は2021年度を目途に具体化を想定)
・クレジットの位置づけを明確化
▮日本市場の方向性
研究会では上記の政府対応の方向性を踏まえ、2050年カーボンニュートラル社会の実現において経済社会構造の改革が必要とし、エネルギー転換部門、産業部門等、消費部門、金融部門の4つに市場を区分したうえで、市場のあるべき方向性を示しました。
エネルギー転換部門においては、政府の脱炭素化促進の意向に沿ったかたちで「非化石電源比率の向上」と、「火力電源の低炭素化への移行」を示しています。
また、消費部門ではカーボンニュートラルに貢献する企業等を評価する国内マーケットを基盤とし、率先して公共市場が取り組みを進めることで、民間市場への波及を期待しています。波及効果により消費市場全体で経済連携することで、海外市場へも戦略的に対応を行う構想です。
そして今回、特に具体的検討がなされているのが産業部門と金融部門の連携です。
産業部門では産業の競争力強化を促進するため、カーボンニュートラルへの取り組みを自主的に行う先進的企業群「カーボンニュートラルトップリーグ(仮称)」の枠組み確立が大きく取り上げられました。対して、金融部門では非化石証書や、J-クレジットなどを取引する炭素削減価値取引市場の活性化により、「カーボン・クレジット市場(仮称)」を機能させ、カーボンニュートラル・トップリーグによる排出目標達成によるクレジット創出や、市場でのクレジット取引を行う構想を示しています。
そのほか、同省ではカーボンプライシングの施策として、市場基盤にIT技術等も活用したカーボンフットプリントの基盤整備や、クレジットの位置づけを明確化する議論を今後も進めていくとしています。
【参考】
「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」の中間整理を取りまとめました (METI/経済産業省)
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