CDPは7日、2021年の気候変動取り組み評価Aの企業リストを公開した。
うち日本企業は花王、不二製油グループ本社を筆頭とした55社。

CDPは毎年、企業の環境におけるガバナンス体制やリスクと機会の認識、目標等に関する質問書を通してその取り組みを評価している。回答企業にはD-からAのスコアが付与され、“A”は最高評価だ。
今年度「気候変動Aリスト」に選定された企業は、評価対象となった全世界の約12,000社のうち201社であり、ロレアル、花王、ユニリーバ、HP、不二製油グループ本社、レンチングなど先駆的な企業14社が３つの環境テーマすべてで“A”を獲得し（トリプルA）、昨年の10社を上回った。評価基準となる「気候変動対策」、「水資源保護」、「森林保全」の3分野の内訳は「気候変動対策」で200社、「水資源保護」は118社、「森林保全」は24社であった。このうち、Aリスト選出の日本企業は55社（トリプルAは2社）。
担当者は「毎年、環境情報を開示し環境課題の相互連関を理解する企業が増えていることは喜ばしいこと」としながら、Aリスト入りを果たした企業が評価対象のわずか2％であったことに対して「あまりに大きな問題」と苦言を呈している。

A評価を得るためには、気候変動問題に対する堅牢なガバナンスと監督、厳格なリスク管理プロセス、第三者検証を経たスコープ１と２の排出量報告、バリューチェーン全体での排出量削減などが求められ、ほとんどの企業は、SBTイニシアチブ（Science Based Targets）によって承認された明確な排出量目標を持ち、スコープ３の排出量をカバーする目標と指標を提出している。今年度、気候変動のA評価が277社から200社に減少しているが、こうした定量的な指標などが明確化され気候変動Aリストはより厳格になったとみられる。

[参考]
CDPジャパン｜https://japan.cdp.net/
全世界で環境先進的な上位２％の企業をCDPAリストに選出　http://www.env.go.jp/press/110289.html

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