<電力事業動向>新電力の2割が事業継続を断念

2022.12.09

5日、帝国データバンクが2021年4月時点で確認された新電力事業者の分析・調査データを公開した。
​データによると、11月28日時点までに小売電気事業を行う706社のうち、2割の企業が電力事業の継続を断念する事態に陥った。


当初の事業を継続できなくなった企業数は22年3月末時点では、計31社であったものの、11月28日までの約8カ月間で146社に。5倍近くまで増加している。なかでも、最も多かったのは「契約停止」であり、無契約状態となった利用者の受け口がなかなか見つからない「電力難民」が増加。現在まで利用者に大きな影響を及ぼしている。

経済産業省によると、大手電力送配電が未契約の法人に電力供給を行う「最終保障供給」の契約件数も11月15日時点で4万2911件にのぼり、2021年9月が438件ということで98倍増加という異例の事態だ。

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帝国データバンクは当データから、「新電力業界は2016 年の電力小売自由化以降、事業者登録に発電設備の有無を問わないなど参入障壁の低さから、業界を問わず数多くの事業者が新規参入し、2022年1月末時点では744社が登録していた。結果として価格やサービス面で多様な事業展開が生まれた半面、卸電力取引市場か らの調達に依存した事業者も増加。2020 年末以降の断続的な市場価格の高騰で、従来のビジネスモデルが立ち行かなくなる事業者が続出し、事業からの撤退や倒産・廃業を余儀なされるケー スが相次いでいる。」と分析している。(引用:『「新電⼒会社」事業撤退動向調査(11 月)』)

また、同社の調査(『電気料金値上げに関する企業の実態アンケート』)によると消費者が支払う電気料金の総額が2021年と比較して増加した企業は86.6%に。電気料金増加率は平均28.7%にのぼり、経営状況の悪化や業績不振回避のため、燃料費・市場価格の高騰分を価格転換する企業がほとんどとなっている。
財務基盤のぜい弱な事業者はもちろん大手系列企業においても、小売電気事業から事業継続性が損なわれる状況が続く厳しい状況だ。この事態をいかに乗り越えるか、企業の財務環境だけでなくや事業基盤の真価が問われる。

 

[関連記事]
新電力撤退で「最終保障供給」利用急増 https://zerofit.jp/new/news/10821.html

 

[参考]
株式会社帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p221202.html
株式会社帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p221204.html
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC013XH0R01C22A2000000/



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